ネジを締めたり、穴をあけることができる工具、「電動ドライバー」ですが、これもまた思ったより奥が深い……?!
ご無沙汰しております、新人スタッフのヤマモトです。
まだまだDIYも詳しくないし、工具に関しても初心者ですが、会社で勉強をしながら記事を書いていきます。前回は「レンチ」について調べましたが、今回のテーマは「電動ドライバー」です。
この連載は、工具初心者の新人スタッフヤマモトが、工具の魅力を自分でも勉強しながら伝えていきます!
今日は「電動ドライバー」についてのお話。
電動ドライバー熱に目覚めたヤマモトが、電動ドライバーの基本をたっぷりと紹介していきます!
電動ドライバーって?DIYには欠かせない道具
最近テレビでもよくDIYの企画がやっていますし、電動ドライバーを見かけたことがある人も多いはず。電動ドライバーを使いこなしている人を見ると、「おお、なんか職人っぽい!」と思うのは僕だけでしょうか。
自分でDIYする組み立て家具が最近増えていると思いますが、電動ドライバーがあるとそんな作業もお茶の子さいさい。ネジが多くても、手が痛くなることはありませんし、効率的にできて速く組み立てられます。
「ドライバー」と名前がついているので、ネジを締めたり緩めたりすることができるのは想像が付くと思いますが、実は穴をあけたり、ナットを締めたりすることもできる優れものなんです。ビットと呼ばれる先端部分を入れ替えることで、用途に合わせて使い分けることができます。
※ビット:電動ドライバーの先端部分のこと。後ほど詳しく紹介しますね。
DIY初心者の人からすると、「見た目がゴツいし、職人さんが使っているイメージ」という理由から難しそうに感じる電動ドライバーですが、いざ使ってみると「こんな簡単なの!?」と驚くほどシンプル。
DIYを始めるならまずは用意していただきたい簡単で便利な道具です。
電動ドライバーの選び方は?
そんな電動ドライバーの選び方ですが、まずはバッテリー式かコード式かどちらがいいかを考えましょう。掃除機みたいなもんだと思ってください。コードが届かないような外での利用が多いならバッテリー式の方が便利でしょうし、室内でコンセントが近くにあるならコード式にしてもいいと思います。
ドライバードリルかインパクトドライバーかは、使用用途によりますが、簡単な家具や柔らかい素材の作業だけならドライバードリルでOK。
大型家具や硬い材質の作業をするならインパクトドライバーが心強いです。
ただし、ある程度操作に慣れないとインパクトドライバーは難しいので、心配ならドライバードリルから入門してもいいでしょう。
そして次に重要なのがトルクの値です。簡単に言えば、ネジを締め付けるパワーのこと。強ければ強いほど、長くて太いネジをねじ込めたり、分厚くて硬い素材に穴をあけたりすることができます。
一般的家庭でDIYをするなら、10N・m(ニュートンメートル)ぐらいで大丈夫です。太いネジを扱う場合は30N・m以上、プロ仕様なら60N・m以上を目安に選ぶようにしましょう。
電動ドライバーは大きく分けて2種類
電動ドライバーは大きく分けるとテクニックタイプのドライバードリルとパワータイプのインパクトドライバーの2種類があります。
それぞれどんな特徴があるのか簡単に紹介していきます。
ドライバードリル
BOSCH GSR 18V-60C (L-BOXX136付)
どちらかというとパワーを抑えて様々な機能を充実させた電動ドライバー。
やわらかい素材を扱ったり、小さなネジを締めるなどの繊細な作業に向いています。
というのも、ネジを締める力をコントロールしてくれるトルク調節ダイヤルというものがついているからです。
BOSCH GSR 18V-60C (L-BOXX136付)
電動ドライバーは簡単にネジを締めれる分、締めすぎてしまいネジが素材にめり込んでしまうことがよくあります。締めすぎてネジをなめたり、素材が割れてしまうなんてことも起こりかねません。それを防止してくれるのがトルク調整ダイヤルです。必要である数値に合わせてダイヤルを回しておけば、それ以上電動ドライバーが回転することはありません。
多くの場合はスピードコントロール機能もついています。慣れないうちはネジを回すスピードもゆっくりにしておけば、締めすぎてしまうことはほぼほぼないはずです。
衝撃も少ないので、音も小さく、手が疲れにくいのも嬉しいポイント。DIY初心者の人にも使いやすい電動ドライバーです。
インパクトドライバー
Panasonic EZ76A1LJ2GT1【限定カラー】
どちらかというとパワータイプの電動ドライバー。インパクトという名前の通りで、回転に加えてインパクト(打撃)を加えてくれます。「回転と打撃」と言われると、コークスクリューブローみたいです(笑)
大抵の場合はドライバードリルのように、トルク調節ダイヤルはついていませんし、スピードコントロール機能もありません。
自分で電動ドライバーのトリガーの引き具合で調節する必要があります。ですので、きちんと扱えるようになるにはある程度の経験が必要です。逆に慣れてしまえば手足のように動かせるのがインパクトドライバーの魅力でもあります。
Panasonic EZ76A1LJ2GT1【限定カラー】
職人さんなら必ず持っていると言ってもいい定番アイテムのインパクトドライバー。パワーがある分、コントロールは難しいですが、慣れればより作業が速くなって効率的です。使用の際にはその都度ビットを取り換える必要はありますが、石材や鉄材などの硬い素材でも利用することができるそうです。
初心者の人にとっては、ドスンッという衝撃があるので、少々疲れやすいかもしれません。DIYにある程度慣れた人向け、玄人向け、プロ仕様の電動ドライバーといってよいでしょう。
形も2種類ある!ピストル型とペン型
さらに、電動ドライバーの形状は「ピストル型」と「ペン型」の2種類があります。
それぞれ順番に解説していきます。
ピストル型
ピストル型はテレビなどでよく見かける持ち手の部分が縦になっている電動ドライバーです。ほとんどの電動ドライバーがピストル型になっています。
ペン型
対してペン型は、持ち手の部分を折り曲げて縦にできたり、伸ばして真っ直ぐにすることができます。狭い場所や奥まった場所での作業がしやすいです。
ペン型はピストル型に比べて、コンパクトで軽量な分、パワーやバッテリー性能が控えめになってしまいがちなのが弱点です。
組み立て家具のDIYのときだけ電動ドライバーを使用したいという人ならペン型だけでもOKですが、少し大きめの家具を作りたい人であれば、ピストル型をメインにした方がいいでしょう。
ネジを締めるだけではない!?ビットを交換すればこんなこともできる
BIC TOOL 6GK-10P 六角軸月光ドリル 10本セット
電動ドライバーの先端部分である「ビット」という部分を入れ替えることで、様々な用途で使うことができます。
- ネジを締めるドライバービット
- 穴をあけるためのドリルビット
- ボルト・ナットを締めるためのソケットビット
と大きく分けると3種類のビットがあります。
ネジの形状やネジを打つ素材に合わせてさらに種類は細かく分かれていきます。
中にはヤスリを取り付ける研磨ビットと呼ばれるものもあります。DIY初心者が研磨まですることは滅多にないかもしれませんが、DIY熟練者になればいつか使う日もくるかもしれませんね!
特殊ビットと呼ばれるものもあり、スマホやパソコンなど精密機器のメンテナンスなどに使われるものもあります。「パソコンも細かいところまで触ってみたい」と思ってしまったその日には、特殊ビットのお世話になることになります。
電動ドライバーを購入するときにいくつかビットが付属されている場合もあります。
僕のような初心者であれば、付属されているセットでこと足りるはずです。
最初はいくつかのビットがセットになったものを買えばOK。そのあと必要があれば追加でビットを購入していくことを考えていきましょう。
ビットの取り付け方は電動ドライバーの種類によって違う
ビットを新しく購入していくときに気をつけたいのは、チャックとビットの軸です。ビットを取り付ける部分のことをチャックと呼びます。
このチャックが電動ドライバーによって違い、取り付けることのできるビットも異なってくるんです。
チャックは大まかに分けて、六角チャックとキーレスチャックの2種類があります。こちらもそれぞれ順番に解説していきます。
六角チャック
六角チャックは、六角軸のビットを差し込む形で固定します。ですので、六角軸以外のビットは差し込むことができません。形がバシッと合うので、キーレスチャックよりもしっかりと固定されるのが特徴です。
間違ってしまうと、取り付けることができなかったり、故障の原因になったりしますので、ビットを付け替える前はチャックを必ず確認しましょう。
キーレスチャック
キーレスチャックは、3つの爪のようなものでビットを固定します。ドリルで一般的に用いられる丸軸(ストレートシャンクとも呼ばれる)を簡単に取り付けるためのモノです。
実は六角軸のビットも取り付けることも可能ですが、その際には過度に負荷がかかりすぎないように注意してください。
というのも高い負荷がかかった時、ビットやチャックが破損しないのが丸軸の特徴。丸い形が力を逃がすからです。六角軸の場合はがっちりと力が引っかかって破損する可能性があります。
上の写真にあるTRUSCOのキーレスドリルチャックは、六角チャックでも丸軸のものを使用できるよう、六角チャックをキーレスチャックに変換するアイテムです。
まとめ
- 電動ドライバーを使うとネジを締めたり穴をあけたりが超簡単にできる
- ビットを入れ替えれば用途に合わせて様々な使い方ができる
- 充電方式、使用用途、トルク能力を加味して電動ドライバーは選ぶ
電動ドライバーという工具は、日常でたとえるなら洗濯機みたいな道具。手で洗う必要がなくなり、革命的に時間を節約できます。思い切ってドラム式にすれば今度は乾燥まで全部やってもらえる。
そんな具合で、一度使えばもう「電動ナシ」の生活には戻れないくらい頼りがいのあるアイテムなのかもしれません。
僕はまずドライバードリルから使い倒していきます!
以上、新人スタッフのヤマモトでした。