意外と奥が深い「安全靴」の基本

はじめまして、新人スタッフのヤマモトです!

まだまだDIYも詳しくないし、工具に関しても初心者です。

文章を書くのが好きで、学生の時は熱心にブログも書いていた……と上司に話すと、「じゃあwebサイトの記事もお願い!」と依頼されることに。「初心者ならでは」の視点で、一生懸命勉強しながら記事を書かせてもらうことになりました!

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この連載は、工具初心者の新人スタッフヤマモトが、工具の魅力を自分でも勉強しながら伝えていきます!

今日は「安全靴」についてのお話。

色んな工具がありますが、まずは見た目から、というミーハーな理由で作業着や作業靴を選びたいと思います。

特に「安全靴」は種類が多くて、何を選べばよいか難しい!

そう思って安全靴について色々調べてみました。「ちょっとゴツい靴でしょ?」と思ってた自分が恥ずかしいです。というのも、とっても奥が深いアイテムだったのです!

端的に言えば、「目的のあるアイテムは格好良い」ということ。

普段の服選びでも、「これは~年代のアメリカで飛行機のパイロットが着るようなジャケットで……」だとか「もともとジーンズは炭鉱労働者が……」とか、そういう言葉で誘われるとついつい財布のひもが緩んでしまいますよね。(少なくとも私はそうなんです……特に無骨な男くさいアイテムだと特に……)

“働く” に裏打ちされた機能性にはホンモノの説得力があるのです。

ということでこの記事ではエヒメマシンでも取り扱いの多い「安全靴」の本質に向き合ってみようと思います!ダメージはもちろん雨などにも強く、ファッション性の高いアイテムの多い「安全靴」の世界を覗いてみましょう。

 

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 そもそも安全靴って何?

そもそも、安全靴って何?

という基本的なことから調べてみました。

その名の通り、作業を安全にしてくれるための靴の総称。ちょっと待って。当たり前すぎてちょっとげんなりして読む気を失くしてしまったかもしれないけれど、もうちょっとだけ付き合ってくれませんか。

足は鍛えられない

「安全にする」ということはつまり、作業の現場では「足元が特に危険」ということなのです。

  • 重たいものを落とす
  • 台車などに踏まれてしまう
  • 釘などの尖ったものを踏み抜いてしまう

……などなどさまざまな危険がつきものなのです。

突然ですが、スマホを足の甲に落としたことってありませんか。すごく痛くないですか。それはもう考えられないくらい。子どものブロックを踏んだことはありませんか。この世のものとは思えないくらいの悲鳴があがったりしませんか。満員電車で足を踏まれると思わず顔をしかめてしまいますし、ましてヒールに踏まれてしまったらもう…………。

そうなんです。「足」はすっごく弱いし、鍛えようにも鍛えられないんですよね。

ふだん軽々持っているスマホや小さなブロック程度でこのありさまですから、作業場で重たい工具や釘なんかが相手だともう本当に大変……というのは皆さんも一緒に想像できたかと思います。

そうしたリスクから足を守ってくれるのが安全靴。先芯(さきしん)というものをつま先部分に入れて強固にしたり、底の素材にこだわって強度を高めたりしているわけです。

だからあんなにがっしりと、ポテっとした可愛いらしいシルエットがあるんですね。中には、身体が帯電した電気を効率よく体の外に逃がしてくれる静電靴というのもあります。たとえば、ほんの少しの静電気も命取りになるガソリンスタンドの現場などでよく履かれているみたいですね。

安全靴は、いろんな危険を先回りして防いでくれます(なお、「耐油底」というものもありますが、「これは油による劣化に強い」という意味ですので、「滑りにくい」という意味ではないので注意してくださいね!)

なるほど、「なんだか格好良い」くらいにしか思っていなかった「安全靴」ですが、しっかりと役割があるみたいです。

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実は安全靴には「規格」がある?

そんな安全靴ですが、実は「規格」があるそうです。

JIS規格(=日本工業規格)に合格していないと「安全靴」と呼ぶことはできないのです。

  • 重作業用にはH
  • 普通作業用にはS
  • 軽作業用にはL

といった記号が割り当てられており、それぞれに耐えられる圧の重みや衝撃の強さが異なります。

重作業用のものにしておけば確かに安全度は高まりますが、その分足元が重たくなって機動力が落ちてしまうので、「大は小を兼ねる」というような考え方はなるべく避けて、自分の作業に適した機能の安全靴を選んで履くのが良いみたいです。

プロテクティブスニーカーとは?

AIRWALK AW-640 プロスニーカー

ほかにも「プロテクティブスニーカー」と呼ばれるものもあります。これは何かといいますと、JIS規格ではなく。JSAA規格に認定されている靴のこと。JSAA規格は、JISとはまた違う団体が定めた決まり。

AIRWALK AW-640 プロスニーカー

作業の現場や専門店などでは便宜上、このプロテクティブスニーカーもふくめて「安全靴」と呼んだりするのですが、 工業規格上は厳密には違うわけです。

どちらも認められた品質

どちらにせよJIS規格、JSAA規格に通っている靴であれば普通のスニーカーよりはうんと安全でしょう。

どちらの規格が優れている、というわけではなく「ワールドカップ」と「オリンピック」みたいな感じですかね。どちらにせよサッカーが上手い!みたいな。

JSAA規格の解説

JSAA規格についてもう少しだけ解説しましょう。JSAA規格をさらに細分化して見ると普通作業用(A種)・軽作業用(B種)にわかれます。

普通作業用[A種] JISで言えばS種相当
軽作業用[B種] JISで言えばL種相当

 

JSAA規格は、JIS規格と違い、革製・ゴム製だけでなく人工皮革製や合成皮革製、メッシュ素材やプラスチックなどの使用が認められています。

つまり軽い素材で小回りがきいたり、ファッション性の高いアイテムが多いのです。もちろん見た目だけでなくしっかりと自分の用途に合うものを選ばないとダメですが、とにもかくにもやっぱり見た目は大事。自分の気持ちをご機嫌に保つために、どうせ履くならお気に入りを選びたいですよね。

 

まとめ

「安全靴」「プロテクティブスニーカー」または「プロスニーカー」と呼ばれる靴を履けば、安心して作業をすることができます。

「重くて嫌だなあ」「硬いのがちょっとなあ」と思っていた人がいるかもしれませんが、「安全のため」という背景を知っていれば愛着を持つことができるはず。

いかがでしたでしょうか。きょうは「安全靴」の機能性についてお伝えしました!

なるほど、最初は私も「なんとなく格好良い!」くらいにしか思っていなかったけれど、しっかりと実用性・機能性があるんですね。DIYのベテランさんからしたら当たり前だと怒られてしまいそうですが、私としてはこれだけでもすごく新鮮で面白かったです。

「安全靴」は、見た目はもちろんのこと、実用性を兼ね備えた本当の格好良さが潜むアイテムだったわけです。

みなさんもお気に入りを探してみてください。きっとこれからの相棒となる1足が見つかるはずです!

#意外と奥が深いシリーズコラム安全靴